もしあなたの身近に、「どう見ても心が病んでいるのに、病院には行かず占いに通っている男」がいたとしたら。その姿にモヤモヤする気持ち、すごくよくわかります。でも、もしかしたらその人にとって、占いこそが“話せる唯一の場所”なのかもしれません。今回は、なぜセラピーが男性にとって難しく、占いに頼る人がいるのか、その背景と対処法を探っていきます。
目次
なぜ男性にはセラピーが効きにくいのか?感情を“話す”ことの壁
あなたがもし「なんであの人、病院に行かないんだろう?」と思ったなら、きっと真面目で、誰かを本気で心配できる人なんだと思います。でも、ちょっと想像してみてください。
もし自分が傷ついていて、「助けて」と言いたくても、言えなかったら?
男性の多くは、小さな頃から感情を話すことが“弱さ”と教えられてきたんです。
「泣くな」「甘えるな」「自分でなんとかしろ」——そんな言葉を何度も聞いて育った結果、感情を話すこと自体が苦手になっていきます。
精神科医Dr.K(Alok Kanojia)も、「男性にとって感情は“話す”ものではなく、“解決する”問題だ」と語っています。悩みを語るより、筋トレやゲームに没頭したり、無理して仕事に集中する方が“自然”に感じてしまうのです。
それに加えて、現在のセラピーの多くは「感情を言語化できる人向け」に設計されています。だから、“どう感じてる?”と聞かれても、“わからない”としか答えられない男性が多いのも、無理はありません。
占いが“救い”になる理由——話せる相手が見つからない男たちへ
占いって、ほんのり怪しいけど、なぜか安心できる。そんな経験、ありませんか?
セラピーではうまく話せなかったことが、占いだとスラスラ話せてしまう——実際、そういう男性はとても多いです。
それにはいくつか理由があります。
- 占いは「共感」が中心で、正解も評価も求められない
- 自分の悩みを“運勢”や“前世”のせいにできることで、心の重さが少し軽くなる
- 占い師は“治す人”ではなく、“聞いてくれる人”という安心感
そしてなにより、占いは“治療”ではないから、抵抗感が少ないんです。
「自分は病気じゃないけど、ちょっと聞いてほしいだけ」——そんな微妙なラインの気持ちを受け止めてくれる場所って、実はすごく貴重なんですよね。
でもそれって本当に大丈夫?占いに依存するリスクと向き合う
占いが「話すきっかけ」になっている間は、きっと問題ありません。
でも、それだけで本当の意味で“心が癒える”わけではないというのも、忘れてはいけません。
心理学者アルバート・エリスはこう言っています。
「感情はその場しのぎで癒せても、思考パターンを変えなければ、また同じ苦しみに戻ってしまう」
占いは安心感をくれるけど、根本的な問題に向き合うことは少ないです。
- いつまでも「運命のせい」にしてしまう
- 自分の行動を変えようとしなくなる
- 本来、医療が必要な状態でも“病院に行く”という選択肢を持てなくなる
そうなった時、占いは癒しではなく、“心の逃げ場”になってしまうんです。
セラピーが苦手なあなたにこそ知ってほしい、“身体”からのアプローチ
「セラピーなんて行きたくない」「行っても意味なかった」
その気持ち、僕もよくわかります。でも、それってもしかしたら“合わなかっただけ”かもしれません。
Dr.Kは「セラピーは“言葉の治療”ではなく、“相性のある技術”だ」と言っています。
つまり、セラピストの選び方ひとつで、全然違う体験になるんです。
- 3人以上試してみて、合わなければ変える
- 「感情がわからない」と正直に伝えてみる
- 「もう少し話しかけてくれ」とお願いしてみる
それでもダメなら、身体から感情にアプローチする方法があります。
- ヨガやストレッチを続けてみる
- 瞑想や“マインドフルネス”を取り入れる
- EMDR(眼球運動による処理法)やタッピングなどの“体を使うセラピー”を試す
言葉じゃなくても、心は動きます。癒せます。
占いを“出口”にするのではなく、“入口”に変える
もし、あなたやあなたの大切な人が占いに通っているなら、それはそれでいいんです。
否定しなくていい。バカにしなくていい。
でも、それを“最後の手段”にしないでください。
- まずは安心して話せる相手を持つこと
- そして、そこから「もう少し深く向き合える場」へつなげていくこと
占いは、心を開く“練習”としては、とても優秀なツールです。
でもその先に、本当の意味で心を整えられる場所があることも、どうか知っていてください。
まとめ
あなたが「占いなんて…」と思っていたとしても、そこにしか救いがなかった人もいます。
セラピーが効かないのは、あなたの心が頑固だからじゃない。合っていないだけ。
そして、感情を言葉にできないのも、甘えじゃない。それは、ただの習慣です。
心を整える方法は、ひとつじゃありません。
占い、セラピー、身体からのアプローチ——どれでもいい。
大事なのは、「あなたが楽になれる場所」が、ちゃんと見つかることです。