カウンセリングに行きたい。でも話すのが苦手だし、どうせうまく伝わらない気がする。
「妻に心配をかけたくない」なんて理由をつけながら、今日も自分の気持ちを飲み込んでいないだろうか。
大丈夫。そう思っている間は、まだ大丈夫だ。
でも、その「大丈夫」は、本当にそうなんですか?
心がちくちくと痛む夜。何かに追い詰められているのに、それが何なのかさえわからない朝。
それでも、ただ静かに、いつもの日常に戻っていく。
「自分は弱くない」「言葉にしなくても、なんとかなる」
その強がりが、どれだけ心の底をすり減らしているか。
気づかないふりをして、見て見ぬふりをして、そうして崩れていく心がどれほど静かで、恐ろしいか。
男は「話せない」ように育てられてきた
言葉にするのが苦手な自分を、どこかで責めていないだろうか。
「どうせ説明できないし」「うまく言えないから」そうやって話すことから逃げてきた。
でも、それはあなた一人のせいじゃない。
社会そのものが、男に“語らせない構造”を埋め込んできたんです。
泣くな、頼るな、甘えるな。
そうやって「感情を感じるな」と言われてきたあなたは、今になっても感情の出口を見失っている。
だから、話せないのは当然の結果なんです。
精神科医Dr. Alok Kanojiaはこう指摘しています。
「男性は、感情を“語る”のではなく、“解決すべき問題”として扱うよう社会に仕込まれている」
この構造は、優しさでも自立でもない。
それは、心を切り離された男たちが、黙って壊れていくレールなんです。
沈黙の先に待つ“静かな崩壊”
「でも、今は大丈夫だから」
「家族のために頑張っているし、倒れてなんかいられない」
「休んでたら、周りに迷惑がかかる」
その声、本当によくわかります。
でも、それは“崩壊”のはじまりを遠ざける言い訳にしかなっていない。
感情を言葉にできないまま、日々を過ごし続けることがどれだけ危険か知っていますか?
- 思考が鈍くなり、判断ミスが増える
- 無気力が日常化し、笑顔が“演技”になる
- 何もない瞬間に、なぜか涙が出る
- 誰かの一言で、激しい怒りや自己嫌悪が噴き出す
アメリカ心理学会(APA)は明言しています。
「感情表出を抑圧された男性は、うつ・アルコール依存・自殺などの深刻なメンタルリスクに直結する」
しかも、こうした症状は“静かに、確実に”進行していく。
誰にも気づかれないまま、あなたの中だけで、心の骨がきしんでいくように。
「話せないなら行動しろ」と言われたときの、あの声
「わかってる。でも、それができないんだよ」
「疲れてるし、やる気も出ない」
「行動って何をすればいいかわからないし」
……本当に、そうだろうか?
じゃあ、ずっとこのままでいいんですか?
苦しいけど、それを誰にも言えず、何もできず、ただ静かに朽ちていく人生でいいんですか?
あなたは本当は気づいてる。
このままじゃまずいってこと。
でも、「動く理由がない」って言い訳してるだけじゃないですか?
本当にそう思ってるなら、なぜここまで読み進めているんですか?
心の奥で、「助けてくれ」と叫んでいるあなた自身の声に、耳をふさぎ続けて、それでも何も変えずにいられますか?
話さなくても、心は“動かせる”
セラピーに行けないなら、無理に行かなくていい。
でもその代わり、行動しなければ、何も変わらない。
- 毎朝ベッドを整える
- コンビニじゃなく、自炊してみる
- スマホを置いて10分だけ散歩する
そうした小さな行動が、心の停滞を少しずつ動かし始める。
「行動すること=自分を大切にすること」なんです。
スーザン・デヴィッド博士はこう語ります。
「感情は、見て見ぬふりをすると増幅するが、正面から向き合えば、“力”に変わる」
話せないなら、行動すればいい。
それだけのことです。言葉はいらない。理由もいらない。
動けることから、始めればいい。
まとめ
あなたが話せないのは、弱いからじゃない。
構造的に話せないようにされてきたからです。
でも、そこで立ち止まり続けていたら、心は確実に崩れていく。
誰にも気づかれず、あなた自身さえ見ないふりをしたまま、ある日突然、壊れてしまう。
だから、今すぐ話せなくていい。
でも、動いてください。
心は、言葉じゃなくても動く。
行動からでも、ちゃんと整えられる。
そう信じて、まず一歩だけ、小さく踏み出してみてください。