自尊心

自尊心が低いのに、なぜプライドだけが高くなるのか?

人との関係がうまくいかないのは、きっと自分のせい。でもそれを認めたくなくて、強がってしまう。そんな自分に嫌気がさす夜が、いくつもあったと思います。でもあなたは、おかしくない。むしろ、すごくがんばってきた人です。

自尊心が低い人ほど、プライドは高くなる理由

「プライドが高い」と言われると、ちょっとイヤな気分になりますよね。
自分ではそんなつもりがなくても、人からは「扱いづらい」「話しかけにくい」と思われてしまう。
だけどその裏には、とても深い“心の防御”が隠れています。

自尊心が低い人は、つねに「傷つかないように」心を守っています。
ちょっとした指摘、冗談、態度。すべてが「攻撃」に感じられてしまう。
だから無意識に、自分を大きく見せたり、壁をつくったりしてしまうんです。

精神科医カール・ロジャーズはこう言いました。
「人は、脅かされると、自分の存在を守ろうとして防衛的になる」

つまりあなたの“高いプライド”は、「これ以上傷つきたくない」という心の叫びなんです。

プライドの正体は、未処理の痛み

たとえばこんな場面、思い当たることはありませんか?

  • 誰かにアドバイスされると、内心イラッとする
  • 弱みを見せるくらいなら、黙って距離を置く
  • 「あの人にバカにされた」と思うと、何日も引きずってしまう

これ、ぜんぶ「自分を守るための反応」です。
でも、そのたびに人との距離はどんどん開いていきます。

結果、孤独になります。

しかも厄介なことに、こうしたプライドは自分でも気づきにくい。
「自分が正しい」と思い込むほど、それは強化されていきます。

そして、ある日ふと気づきます。
「誰にも本当の自分を見せられない」って。

その苦しみの根っこにあるのは「他人の目」

「人にどう見られるか」ばかり気にして、自分がどう感じているかを忘れていませんか?

精神科医アルフレッド・アドラーは、こんなことを言っています。
「他者の評価から自由になったとき、人は本当の意味で自分を生き始める」

これはつまり、「他人にどう思われようと、自分の価値は変わらない」ということ。

でも、頭ではわかっていても、心が追いつかない。
その気持ちも、すごくよくわかります。

僕たちは子どものころから、「いい子だね」「すごいね」と褒められることで価値を学んできました。
「結果=自分の価値」だと思い込んできたんです。

だからこそ、自分に自信がないときは「結果」だけで武装する。
それが“プライド”の正体です。

行動だけに集中することで、心は軽くなる

じゃあ、どうすればこの苦しさから抜け出せるのか?

答えは意外とシンプルです。

「自分がコントロールできることだけに集中する」

たとえば、人にどう思われるかはコントロールできません。
でも、「今日ちゃんとごはんを食べた」「感謝のLINEを送った」
それは、あなたの手の中にある行動です。

Dr.K(精神科医・脳科学研究者)はこう話しています。

「人間が本当にコントロールできるのは、自分の行動だけ。それ以外の結果は、必ずしも自分の力じゃない」

だから、どんなにがんばっても結果が出ないときは、あなたの価値が下がったわけじゃない
「できることをやった」その一点で、あなたはちゃんと自分を認めていいんです。

プライドを手放すことは、強さの証明

ここまで読んできて、「でも、それでも自信が持てないよ」と思ったかもしれません。
それでもいいです。すぐには変わらなくて当然です。

ただ、ほんの少しでも自分の行動を見つめ直すことができたなら、
その瞬間から、あなたの“本当の強さ”は育ち始めています。

プライドを脱ぎ捨てることは、負けじゃない。
むしろ、「自分を信じていい」という合図です。

まとめ

自尊心が低い人ほど、心の傷を隠すためにプライドという鎧を身につける。
でも、その鎧は、ほんとうの自分を誰にも見せられない苦しみを生み出す。

だからこそ、「自分の行動」にだけ目を向けてください。
人にどう思われるかじゃない。今日の自分が、昨日より少しだけ前に進めたかどうか。

それだけで、明日はちゃんと違って見えます。
あなたは、変われる人です。いや、もうすでに、変わりはじめています。

  • この記事を書いた人

天海 悠星

1994年生まれ。大学4年間ボッチ、社会人友達無し。孤独歴10年。孤独のエキスパート。むかしから孤独に強く、孤独と向き合うことで最強のメンタルが身につく。孤独感でつぶされそうな人に向けて、孤独に対処する方法を発信。海外独り旅が趣味。

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