「どうして私は、いつも続かないんだろう」
そんな疑問が、何度も心の中でつぶやかれてきたはずです。
新しいノートを開いて意気込んだ日も、習慣化アプリにチェックを入れ始めた日も。
始まりには「やれる気」があった。確かにあったのに、気づけば3日目には手が止まっている。なぜ?
それは「根性が足りない」からじゃない。
でも、「自然とやる気が出ない」のせいでもない。
そこには、もっと冷たくて、もっと日常的な理由があるのです。
目次
モチベーションが続かないのは性格ではなく、設計の問題
まず、安心してほしいのは、やる気が長く続かないのはあなただけじゃないということ。
誰だって、気分が乗る日と乗らない日がある。
問題は、その「波」が来たときに、行動が止まってしまう設計になっていること。
心理学では「モチベーションは性格ではなく状態である」という考え方が主流になりつつあります。
“モチベーションは貯めるもの”であり、“自然に湧いてくるもの”ではない。
これは、英国ケンブリッジ大学の心理行動学者・リチャード・ライアン教授も、「意志力よりも環境設計が行動を決定する」と述べています。
つまり、続かない原因は、あなたが「やる気を消耗する設計」の中で暮らしているから。
それは、気づかないうちに“モチベーション泥棒”に日々、エネルギーを奪われているということなのです。
毎日少しずつ、静かにあなたを削る「モチベーション泥棒」
では、その“泥棒”はどこにいるのでしょうか。
- 起きてすぐスマホを開き、無意識にSNSを眺める
- 本当はやるべきことがあるのに、動画を1本だけ…のつもりが2時間経過
- 「今日は疲れてるから」自分に言い訳して、ToDoを放置
これらの行動が悪いわけじゃない。
でも、これを“習慣”として繰り返すことが、確実にあなたのやる気を奪っているのです。
最も厄介なのは、これらが「楽しい」「ラク」「ちょっとした息抜き」として脳にご褒美を与えてしまうこと。
そう、脳は“今楽しいこと”を最優先に設計されている。
その設計に逆らって、未来のための行動を起こすには、それ相応の“やる気貯金”が必要なのです。
あなたの脳は、崩壊寸前で笑っている
このまま気づかないふりを続けていたら、何が起こるか。
- 朝起きるのがただの苦痛になり
- タスク管理アプリは“未達成”の墓場に変わり
- 成果が出ない自分を責めるループが、静かに始まる
最初は違和感だけかもしれません。でも、次第にそれは「あきらめ」に変わっていく。
「まあ、無理しなくてもいいか」
「今日はちょっとだけ休もう」
「今やっても意味ないし」
それ、あなたの本音じゃないこと、わかってますよね?
「でも、忙しいし…」「時間がないし…」と言い訳するあなたへ
ここで想像してみてください。
「だって仕事が忙しい」
「家のことで手いっぱい」
「体力がなくて…」
「集中力が続かなくて…」
こんなふうに、自分で自分の首を絞めるような言葉を、あなたは本気で信じてるふりをしている。
でも、もう気づいているはずです。
“本当はできることを、見ないようにしている”だけだと。
言い訳をすることで、あなたは一時的な安心を手に入れる。
でもその代償に、本来の可能性を、少しずつ削って差し出している。
そのときあなたの心の奥底では、こう叫んでいるのではないですか?
「本当は変わりたい」
「このまま終わりたくない」
「やれる自分になりたい」
ならば、まずはその声から逃げないでください。
モチベーションを“貯める人間”だけが、行動し続けられる
「変わりたい」と思うのに変われない理由。
それは「燃やすためのエネルギー」が足りていないからです。
人間の脳は、行動を起こすたびに“やる気エネルギー”を消費する設計になっている。
これは米国スタンフォード大学の神経科学者・ロバート・サポルスキー教授も「人間の行動の90%は“疲労の少なさ”によって選ばれている」と語っています。
つまり、何をするかより、何を“しないでいられるか”があなたの未来を左右している。
まとめ
あなたが「やる気が続かない」と思っていたのは間違いではありません。
ただ、それは「あなたが弱い」からではない。
毎日の中に潜む“モチベーション泥棒”に、静かに削られていたからです。
そして、あなたがそれに気づかないふりをしていたから。
言い訳をして、ラクな方に逃げて、それを“自分らしさ”だと誤魔化していたから。
でも、本当は知っている。
あなたにはやれる力がある。
ただ、“やる前に削られてしまっていた”だけだと。
まずは、今日やるべきことをひとつ選んでください。
それを、“3分でいいから手をつける”ことから始めましょう。
やる気は、始めることで生まれる。
そしてそれは、何度でも積み重ね直せる。
あなたの中にある“まだ何者にもなっていない可能性”は、
今日、少しだけ目を覚ましたがっています。