一般消費者は、1000時間以上も誰かのコンテンツをみることで時間という代償を支払っています。
Youtuberが会社に通うことなくフルタイムで在宅ワークできているのは、この関係で大きな恩恵を受けているからです。
彼らは一般消費者から利益を得ています。一般視聴者は何も得るものがありません。むしろ失うものばかりです。
- 友達もできず孤独感が増加する
- 学びにもお金にもならずに時間だけがなくなる
- メンタルヘルスがどんどん悪化していく
あなたの人生に悲劇が起きたとき、彼らはあなたを支えてはくれません。困ったときに泊まる場所を提供してくれるわけでもありません。
今の話は序の口です。パラソーシャルな関係がどれほど危険か?その理由をくわしく解説します。
パラソーシャルな関係がわからない方はこちら↓
目次
現実との区別がつかなくなる
2001年にハリー・ポッターと賢者の石が公開されました。ひととき、地球全体が魔法世界のようになりました。
ハリー・ポッターは、映画の中で小説を超えた没入感を味わうことができる作品として販売されてきました。
作者はハリー・ポッターの世界にマグルという概念を入れることで、ファンを巧みに著者の世界に取り込み"一般読者のための空間"を作り出しました。
このような強烈なファン体験は、現実とフィクション、実在する人物のキャラクターとの境界線を曖昧にします。
この動画を笑いものとしてみるか、ハリーポッター世界の犠牲者とみるかはあなた次第です。
⇒Man Attempts to Enter Hogwarts in London
映画の人生を生きようとする
ハリー・ポッターは、本と映画の公開が10年以上に及びました。
ファンは、まるで、形成期を共に過ごしたクラスメイトのように、ハリー・ポッターのキャラクターと一緒に成長したかのように感じました。
多くのファンが、ハリー・ポッターから人生や友情についての重要な教訓を学んだと語っています。
ハリーポッターの学びが現実世界で何に立つのでしょうか?ファンとメディアとの絆だけが深まるばかりです。
映画の世界にパラソーシャルな関係を持つと、ありもしない幻想を現実世界にもちこんで生きるようになります。
現実逃避癖が身につく
ハリー・ポッターは、現実の世界で問題に直面している大人たちの避難所となっています。
決して裏切ることのない架空の友人と一緒に、簡単に幻想世界に逃げ込むことができる『大規模型超洗脳ストーリー』です。
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危険な価値観を植え付けられる
人ごみの中でいつもひとりぼっちの売れないコメディアン、アーサー・フレックは、ゴッサム・シティの街を歩きながらつながりを求めている。アーサーは2つの仮面をかぶっている。本業のピエロのために描いた仮面と、自分が周りの世界の一部であるかのように感じるための無駄な試みである仮面だ。孤立し、いじめられ...
2019年、世間を震撼させた映画『ジョーカー(Joker)』が公開されました。以前のバージョンは狂気そのものでした。
2019年版は、社会から拒絶された人物でした。このバージョンのジョーカーは悪役ではありません。社会が悪役です。この設定により、多くの白人男性ファンがジョーカーに強く共感しました。
彼らは、社会から拒絶されていると感じており、自分を不当に扱った者を殺すというアイデアにカタルシスと賞賛を感じました。まさに、一般の人が悪役とパラソーシャルな関係を結ぶ危険なケースです。
ジョーカーとパラソーシャルな関係をもった人は、ネット上で憎悪に満ちたコメントをまき散らしました。彼らは、ジョーカーのようになりたいと願って自分を孤立させ続けました。
やがてそれが認められ偶像化されるというような誤った「陰湿な価値観」をもちつづけました。
数え切れないほどのファンが、ジョーカーの悪役への転落を英雄の旅と勘違いし、自らの人生を転落させました。
攻撃的になる
パラソーシャルな関係を持つ人は、メディアの人物に同化しやすいです。その信念や価値観を自分のものとして取り入れます。その人物が暴力的な振る舞いをしている場合、
自分も同じことをしていいんだ
という風にとらえます。そのときを待ちわびていたかのように、今まで抑えてきた感情が一気に爆発します。
Jokerのような非社会的な映画とパラソーシャルな関係になると、感情のタガが外れやすくなります。自分が不当な扱いを受けていると感じている場合は、特に影響を受けやすいです。
インフルエンサーの影響をもろに受ける
インフルエンサーは、あなたに自分の人生の5%も見せていません。良い部分だけを切り抜いてうまくいっているように演出しています。
たとえ彼らがものすごくオープンで正直なインフルエンサーだとしても、24時間365日自分たちの生活を見せることはありません。
そんなインフルエンサーと一方的な関係を築いていると、ネガティブなイベントが起こったときに過剰に反応するようになります。
このカップルが別れてしまって悲しい。もう希望がない。彼らが成功しなかったとしたら、信じられない。他の誰にも希望がないんだ。
インフルエンサーとパラソーシャルな関係にあると、非現実的な期待が入り込みます。だから、別れの発表で大きな打撃を受けてしまうのです。
強度の依存症になる
パラソーシャルな関係は、嫌な感情から逃れるための逃避行動です。ストレスを解消する方法になります。行動そのものが依存症になりやすいです。
憧れの人から褒められたり返信を受けると、脳の報酬中枢が活性化します。
ファンはより感情的なつながりを維持しようとし、生活に支障をきたすほど、過剰な時間とエネルギーをその関係に費やすようになります。
パラソーシャルな関係を維持できなくなると、薬物依存症と同じような禁断症状が現れることもあります。
マイナスのボディイメージを植え付けられる
スーパーヒーロー映画、特にマーベル・シネマティック・ユニバースの成功により、架空のヒーローとパラソーシャルな関係を結ぶ男性が増加しています。
彼らはスーパーヒーローの持つ強さ、支配力、力に憧れています。ヒーローの筋肉質なカラダ、戦うときの勇敢な姿勢を人生の強さとはきちがえています。
パラソーシャルな関係にある人は、キャラクターの完璧な肉体美を、到達不可能なものではなく目指すべきもう一つのゴールと見なしています。
多くの男性は、スーパーヒーローのように完璧な体を持たなければならないというプレッシャーに苦しんでいます。
ストーカー行為に発展する
パラソーシャルな関係をもったファンは、アイドルが恋愛関係にあると知ると信じられないほど怒ります。自分が裏切られたと考えます。
この執着は、サイン会場や空港などで肉体的な接触を図ろうとするなど、ストーキングや犯罪行動におよぶことがあります。
2014年に、AKB48の2人のメンバーがファンイベントでノコギリを振るう男に襲われました。海外では、2018年にポップスターのテイラー・スウィフトをストーキングしたとして男が逮捕されました。
あなたがちょっとでも、芸能人の恋愛話に心を揺さぶられたことがあるなら、自分の精神状態に気をつけたほうがいいかもしれません。
【残酷な真実】アイドルは○○の被害者!?
パラソーシャルな関係は、一般消費者側に危険な要素があると思いがちです。しかし、実はアイドルやYoutuberも同じ大企業の被害者です。
そもそも、パラソーシャルな関係はマーケティング戦略です。消費者を熱烈なファンにさせるための心理テクニックです。メディアは、パラソーシャルな関係をプロモしまくって巨額の利益を得ています。
コンテンツクリエイターは現実の人間として扱われません。すべての交流は、企業がつくりだしたイメージを通してフィルタリングされ、それが完全にインフルエンサーの現実となります。
クリエイターと有名人は、スペクタクルと呼ばれる種類の『資本主義的商品』でしかありません。
スペクタクルとは?
メディア報道やソーシャルメディアを通じて、セレブの人生が公にされること。
レッドカーペットのイベント、インタビュー、ソーシャルメディアへの投稿など、セレブの光景はさまざまな形で現れる。
セレブは「見世物」として、大衆に消費される単なる商品として扱われる。
近代的な社会では、人生のすべてが巨大なスペクタクルの集積です。大物インフルエンサーとか言ってますが、実際、他人が見るための見世物に過ぎません。
有名人も人間ですが、そんな風に扱ってくれる人はごくわずか!
クリエイターや芸能人は、まさに「人」と「抽象的な体験」の中間に位置しています。だからこそ、
パラソーシャルな見世物
としての地位を獲得しているのです。なんで残酷な話でしょう!
クリエイターが作り出す商品化されたセレブのイメージは、消費者やファンの心の中でそれ自身の人生を送ります。
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