自尊心

SNSで「勝ち組」に見える人たちに、なぜ私たちは勝てないのか?

いつからだろう。SNSで見かける高校時代の“カースト上位”の人たちの投稿に、心がざわつくようになったのは。フォロワー数、いいね数、リア充な写真たち。そこに“自分の存在しない輪”を見つけるたび、なんだか人生に負けたような気がしてしまう。でも、あなたが感じているその違和感は、あなただけのものじゃない。

SNSの劣等感はどこからくるのか?──あなたはもう気づいている

SNSに映る彼らの笑顔、賑やかな集合写真、揃ったリアクションの「いいね」。それらは、まるで「選ばれた人間たち」の証のように見える。

でも、どうしてだろう。

小学校の同級生、大学の友人には何も感じないのに、なぜか高校時代の“あのグループ”だけに心がかき乱される。今も変わらず、彼らの輪の外側に自分がいるように感じてしまう。

それはたぶん、「あの頃」から今まで、ずっと置き去りにされた感覚があるから。SNSはそれを見える形で再現してしまう

なぜSNSで「勝ち組」に見えるのか?──演出される優越感のからくり

実際には、SNSの投稿なんて一部の切り取りに過ぎない。それは知っているはずなのに、なぜ傷つくのか。

答えは簡単だ。Instagramは「虚像」をリアルに見せる設計になっているからだ。

メタ社(旧Facebook)の内部資料によると、Instagramは「若者の自己評価を著しく低下させている」と結論づけている。特にティーンエイジャーの40%が、自分の外見に不満を抱くようになったと報告している。

これは偶然ではなく、戦略だ。

  • アルゴリズムは「優越感」や「羨望」を生む投稿を優先表示する
  • リアルを加工した写真や演出された幸せに“いいね”が集まる
  • そして、それがまた次の投稿者にとっての“基準”になる

この連鎖が、無意識にあなたを「比較地獄」に引きずり込んでいる

あなたが勝てないのではない。勝たせてもらえない構造がある

ここで一度問いかけたい。

本当に、あなたは「負けている」のか?

勝ち負けの基準は、いつから“他人のフォロワー数”や“リアクションの多さ”になったのか?

心理学者ソニア・リュボミルスキーは、著書の中でこう述べている。

人の幸福感のうち、外的な成功が与える影響はわずか10%に過ぎない。残りは、自分の思考と行動が決める」

つまり、SNSに映る“勝ち組”のように見える人たちが、本当に幸せかどうかは、わからない。むしろ、あなたに“勝ち組”を見せ続けることで、彼らは生き延びているのかもしれない。

もし、今のまま進んでしまったら──「見えない戦争」に負け続ける未来

あなたのSNSには、「評価されない自分」の投稿が並んでいく。

気づかないうちに、あなたは「映えない自分」を削り取り、何も投稿しなくなっていく。

  • 投稿しても反応がない
  • 既読スルーが怖い
  • つながっているはずなのに、どこか孤独

こうして、あなたは“観察者”の側へと移っていく。

誰かの楽しそうな週末を見て、自分の空っぽの部屋でため息をつく。

そのままでいいんだろうか?

「抜け出す」という選択──リアルとつながるということ

答えは、「SNSを捨てろ」じゃない。

大事なのは、SNSを“基準”にしないこと

  • 誰と比べるかを、自分で選ぶ
  • 投稿ではなく、会話の中でつながる
  • 「いいね」の数より、「話を聞いてくれる人」の存在を大切にする

SNSの外に、あなたをジャッジしない世界はちゃんとある。

それは、職場の同僚との何気ない昼休みかもしれないし、久々に会った旧友の何でもない話かもしれない。

そして、その世界では、あなたの“影の時間”が、ちゃんと意味を持っている

まとめ

SNSに映る“勝ち組”は、ほんの一瞬を切り取ったショーのようなものです。
本当のつながりは、画面の向こうではなく、あなたの言葉と、耳を傾けてくれる誰かとのあいだにあります。

他人のリア充を見て落ち込むのではなく、自分のリアルを整える時間を増やしていきましょう。

その積み重ねが、いつか、あの「いいね」よりも価値のあるつながりになります。

大丈夫。今ここで立ち止まり、深呼吸をしたあなたには、もう違う景色が見えているはずです

  • この記事を書いた人

天海 悠星

1994年生まれ。大学4年間ボッチ、社会人友達無し。孤独歴10年。孤独のエキスパート。むかしから孤独に強く、孤独と向き合うことで最強のメンタルが身につく。孤独感でつぶされそうな人に向けて、孤独に対処する方法を発信。海外独り旅が趣味。

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