世界で晩婚化が進んでいます。超党派シンクタンクのPew Research Centerの調査によると、欧米では「30歳未満の男性の63%が自分を独身と表現している」といいます。
日本はもっとすごいです。内閣府の発表によれば、2020年の未婚率(25~29歳)は72.9%です。主流メディアの調査では生涯未婚率は28.3%とわかっています。
Yahooニュースには、2020年時点で「独身者5000万人」とあり、
15年後の2035年には、有配偶人口と独身人口は約5300万人あたりで同数に並ぶことになる。
と書いてあります。数値だけ見ると悲劇的に思えます。独身は悪いことなのではしょうか?そんなことありません。
世界的に見ても、男性の一人暮らしが増えているのは確実ですが、独身にもメリットがあります。
「結婚=幸せ」ではない
結婚は歴史的に見ても社会の礎(いしずえ)とされています。生きる上での「正しい様式」というわけです。若いうちは、結婚相手を見つけて家庭を築き、幸せに暮らすのが理想とされる社会です。
今はそんな空気無いですが、親や義務教育の影響で、多くの人はそのような共通認識があります。では、結婚したほうがいいのか?というとそんなことありません。
もし、
理想の人生とは、長期的な交際や結婚をすることだ
と考えるなら、その基準を満たさない人は本質的に失敗していることになります。独身を嫌う人はむしろ増えるはずです。実際の社会はそうなっていません。
結婚話ではよく離婚が話題になりますが。今は離婚できなくて悩んでいる人も多いです。結婚は長期的に見ると不幸をもたらすことがあります。
結婚しても幸福度は持続しない
独身者は、
- バージンロードを歩く
- ハネムーン
- 子供を持つ
- 何十年も一つ屋根の下で一緒に暮らす
といったかけがえのない喜びを経験できないといわれますが、これらが人生に必要かどうかは疑問です。
米国心理学会の記事には、こうあります。
人は人生の出来事に対して最初は強く反応するかもしれないが、最終的には通常の幸せのレベルに戻る
結婚した年は幸せになっても、最後は結婚前の状態に戻るというのが世の常です。子供を産んでも、仕事の忙しさや教育費にストレスがたまり、より不幸になっている人もいます。
純粋な楽しみが減る
人は人と深く接するほど執着します。友情⇒恋愛⇒結婚という順番で考えると、友情を築いたままにとどめたほうが懸命なこともあります。
結婚や恋愛は、中身が無いのに「つながりだけが強くなる」というデメリットがあります。
昔の賢者の中には、恋愛に伴う苦しみの大きさを見て、恋愛は最も健全な愛の形ではないと主張する人もいました。
例えば、古代ギリシャの哲学者エピクロスは、友人との交わりの中でパンや弱いワインといったシンプルな喜びを楽しむことを強く推奨していました。
性的な不満がたまる
男性は生物学的に、ひとりの女性を愛せないようにできています。性的な魅力をずっと感じつづけることはできません。これを「クーリッジ効果」といいます。
男性は性的な情熱に従って生きています。性的な欲求は、コントロールが効かなくなると自己破壊につながりかねません。
いつしか、
- 不倫
- 虐待
- アルコール、ギャンブル依存
- 精神障害
- 望まない妊娠
- 家庭内暴力
などに至ることもあります。
結婚生活で性的な不満がたまると合理的な思考ができなくなります。快楽と情熱の爆発を見た後に、やがて苦痛と絶望の爆発を見るという悲惨な状態におちいります。
女性に依存しすぎると、極度の嫉妬心を感じます。別れ話になれば耐え難い失恋を経験します。長期的につづかない夫婦生活は、痛ましい運命をおくるハメになります。
ひとりの女性に愛をそそげなくてよい
独身は、恋愛や結婚という「愛のかたち」にとらわれる必要がありません。女性との付き合い方に制限がないです。「情熱的な友情」というエキサイティングな関係を維持することができます。
怠け者が女遊びしているように聞こえますが、充実したものであるのは確かです。
おしどり夫婦(仲むつまじい夫婦)という言葉もあるくらいです。恋愛も結婚も、一番長続きするのは長期的な友情関係が基盤にあるからです。
シングルの人は、愛情を一人の大切な人に向ける必要はありません。恋愛のように熱く燃え上がるものはないですが、心地よい朝風のような涼しさを感じられます。
自由
独身には、結婚にない自由があります。奥さんや子供を気にせず自分の好きなことができます。
独身反対派は、結婚が人生のゴールかのように言ってきますが、本当にそうでしょうか?
フランス・アルジェリアの哲学者アルベール・カミュは、
宇宙には意味がないのだから、人生の意味を求めても無駄だ
といいました。それよりも、自分自身で意味を作り出すべきだと考えています。
結婚には本質的に何も意味はありません。一言でいうと「契約」です。これも誰かが決めたものです。広くみれば、友情や恋愛関係の延長です。
自分がどの程度それに意味を見出すかによって、結婚の重要性が決まります。独身を選択として考えてみてください。この考えに基づくと、
独身は人間関係に一秒たりとも費やすことなく、目的に没頭すること
といえます。例えば、ニコラ・テスラは生涯独身で、科学と工学にすべてを捧げました。彼は、女性との接触を控えたことが科学的能力の向上に役立ったと説明しています。
テスラは極端な例かもしれませんが、結婚が自由をうばってしまうという事実は無視できません。
他者依存にならない
孤独には恩恵があります。責任はすべて自分にのしかかってきますが、その分だけ自分の人生を自給自足できるようになります。
幸せな独身者は、
パートナーがいないと自分は不完全な存在だ
という考えに否定的です。パートナーは虚しさを癒すものではないし、幸せの条件でもありません。独身だからといって永遠に不幸であるとも言えません。
恋愛が長続きしないことを受け入れようとするあまり、ヘロイン中毒者のようにラブパワー(恋愛中毒)を注入しつづけないとダメな人もいます。
独りであれば、外界の状況に左右されることはありません。自分の幸福に完全な責任を持つことができます。
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